2009.07.02 Thursday
『水と風の物語』――初めて作詞した歌
その日の岩倉は雪が15センチも積もっていた。1年半前の2008年2月24日のことだ。
インドからFAXが入った。インドを旅行中のグレゴリー・ヴァンダービルト君からだ。「昨日の日の出のとき、上島聖好さん(1955〜2007)の遺灰を、花とロウソクとともに、ガンジス川に流した」とのFAXであった。 「そうかあ」と思い、庭の雪の白さをながめていた。すると、私としては珍しく、詩がコンコンと湧きあがってきた。 その詩の一部を「川の物語」としてまとめた。手書きのプリントにして、縁あるひとたちに送った。 鈴木君代さん(歌手+僧侶)にも送った。 すると、あるとき鈴木さんが「曲をつけてもいい?」と言った。「えっ!?」と思っている間に、ほんとうに曲がつき、歌になったのだ。 7月1日の雨の夜、西本願寺の聞法(もんぽう)会館において鈴木さんのコンサートがあり、その歌を聞いた。初めて聞いた。 「いまが開く」。そんな身体感覚を味わった。「いまここ」が伸びやかに開かれてゆくんだ。ふしぎな、やわらかな初体験であった。 ありがとう、鈴木さん。君代さん、ほんとうにありがとう! なお、私にはチンプンカンプンなのだが、「YouTubeで鈴木君代(すずき きみよ)と検索し、『水と風の物語』を見つけ出せば、聞くことができる」とか。やってみてね。 水と風の物語 詞・虫賀宗博 曲・鈴木君代 序 川があった 川のほとりに、樹があった 樹の下に、汗するものたちが集まった 汗するものたちは、息をした 息するものたちには、心が育った 心あるものは、息とだえることを知り、涙した その涙から、ことばが生まれ、物語が紡がれた 一 水は水と出会い、泉となる 泉は泉と出会い、川となる そのように 川は川と出会い、川の中を流れる 川は海と出会い、海の中を流れる そのように 生は死に出会い、死の中を流れる 死は生に出会い、生の中を流れる 二 風は風と出会い、息となる 息は息と出会い、生きものとなる そのように 僕は君に出会い、ああ、いのち湧きあがる 風が吹き君の息が、風に帰ったとしても そのように 風は僕に出会い、君のいのちが流れる 僕は君に出会い、風のいのちが流れる そのように そのように そのように |