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自分の目で自分は見えない――高原美都子さんの6月例会へ、ようこそ、ようこそ

 彦根に西覚寺があって、高原美都子さんがいる。同寺は東本願寺(大谷派)の真宗の古刹。
 縁あって、高原さんに出会えて、よかったと思っている。
 10年前のあるとき、その高原さんからあるカレンダーが届いた。
 前住職(覚正さん)がひごろ話していた言葉(法ダルマの語)を高原さん(ほか)が書(しょ)にしているカレンダー(日めくり)。なんとも言えない、いい書。
 前住職の力なのか。高原さんの力なのか。
 これが、いいんだ。
 実にいいんだな。
 なんと言うか、日常とは違う所から光が当たる感じ。
 「この失敗のおかげといえるくらい失敗から学ぼう」。
 「倒れることによって起ちあがる力をいただく」。
 「自分の欠点を知らせてくださるかたを仏さまという」。
 「わたしたちは親から先祖から地域から自然から呼びかけられ願いかけられている、呼びかけに応ずると限りなく力がわいてくる」。
 「この平凡 この平凡のなかに深い一切が秘められている」。
 どうだろうか。
 私は毎日毎日めくりながら、日にちだけが印刷されているので毎日毎日めくりながら、初めて出会ったかのように、うなっている。
 なんと言えば、よいのか。日常の空間XY軸にもうひとつのZ軸が生まれる感じと言えばよいのか。
 そのZ軸に立った目(視)線の力でどれだけ助かることか。
 具体的な苦が消えるわけでない。減るわけでない。
 日常とは違う目の力によって、現前の苦が相対化され、苦そのものの意味を变化(げ)させていくのである。無化されていくのだ(結果として、苦は痩せ細っていく)。
 6月18日(日)は高原さんとおしゃべりしたい。私も加わって、参加者と開かれた対話をしたい。
 ようこそ、ようこそ。

   2017年6月例会
6月18日(日)の午後2時〜4時半。
論楽社(左京区岩倉中在地町148、TEL075-711-0334)。
高原美都子さん(僧侶)と私との対話「自分の目で自分は見えない」。
参加費1000円(要・申し込み、個人宅なので)。
交流会4時半〜7時(自由カンパ制)。

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 06:50 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -
生きるための歌――豊田勇造さんコンサート・レポート(その3)

 今回の法然院コンサートもさまざまな縁が重なって実現した。
 1つ目は寺井治夫さん。昨年夏に鶴見俊輔さんの「一周忌例会」を論楽社で連続してやっていたとき、「実は私の教え子に歌手がいて、鶴見俊輔さんの『道しるべ』を歌っている、論楽社でコンサートをしないか」と手紙が届いた。豊田勇造さんが教え子だなんて、びっくりぎょうてん。
 2つ目は近江八幡の金田教会(歌手の岡林信康さんが生まれ育った教会)で毎年11月に豊田さんのコンサートがあって、斉村康広さんや田中武さんたちに誘われ、行ったこと。豊田さんに久しぶりに再会していた。2013年のことだ。
 3つ目はプラユキ・ナラテボーさん。10何年か前のプラユキさんの「講座」のお知らせを豊田さんにFAXしていて、「オレ、プラユキさん、知っている」「タイで出会っている」と返事がきていた。これもまた、びっくりぎょうてん。
 以上なのだが、縁って、おもしろく、深いとつくづく思う。
 よき縁を為していきたいと思う。
 最後にプラユキさんのこと、もう少しだけ、述べたい。
 5月21日(日)のときもトークで言っていたけど、豊田さんはカラワン楽団との縁でタイへ行くようになり、いまや年の三分の一はタイで暮らしている。プラユキさんのことを出家前の坂本秀幸さん時代から知っているんだってね。これにも驚いた。
 当時「秀坊、秀坊」と呼んでいたというのもびっくりだね。
 「タイの中でも最も貧しいイーサン(東北)地区が幸福でないかぎりプラユキさん自身の幸福はない――とプラユキさんは思ったんじゃないか。」
 豊田さんはプラユキさんの出家の心情をそのように語っていた。
 それは豊田さん自身の思いなのだと思った。
 8年前に塩田敏夫さんといっしょに訪れたタイのスカトー森林寺の風景と青空を思い出す。その寺はプラユキさんが副住職の寺であり、イーサンの入口にある。
 いろんな縁が重なり深まっていくね。ありがたい。
 5月21日(日)の法然院で歌ってくれたタイの歌を書く。
 生きるための歌がつまっていたね。
 ありがとう、豊田さん。豊田さん、元気で。またね――。

 

土は痩せ 木に力なく 陽は照りつけて肌を焼く
人は此処をイーサンと呼ぶ 貧しい土地の象徴のように
誰が決めたか 此の辺りでは 人が眠り始めたら
歌声は止めにして ピンだけにすると言う
誘ってもらった床に寝ころび ランプの明りを吹き消して
熱帯の夜に耳すませば 闇の彼方でピンの音が続く
     ――ピンの音が続く(イーサンのピンは沖縄の三線そっくり)
今日一日無事だった生命たちを 寝ぐらへ運ぶ渡し舟の明り
魚も魚も虫も花も人も 河の流れで生かされている
夢なかばで倒れた人が好きだった歌
<DOCK OF THE BAY> が河面から聴こえて来た
今は目を閉じ無事を祈ろう 風よ南風よ この歌を運べ
     ――チャオプラヤ河に抱かれて
タイ米タイ米と馬鹿にすな もしもタイ米がなかったら
餅もアラレもできゃしない ブレンド米もできゃしない
草むらの中に捨てられて 百何十キロも捨てられて
国の百姓が聞いたなら 何と思うかこの仕打ち
故郷じゃ子供が泣いている 腹が減ったと泣いている
本当はあの子に食べられたい 本当はあの子に食べられたい
     ――タイ米ブルース

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 17:45 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -
生きるための歌――豊田勇造さんコンサート・レポート(その2)

 斉村康広さんが音響と写真記録をしてくれた。
 ありがたい。感謝だ。
 写真を12枚、選んでみた。
 ふだんは選ばない私の姿も入れてみた。見てほしい。
 主人公は場所。もちろん座の中心に豊田勇造さんがいる。モリアオガエルも、参加者のひとたちも私もみんな居場所があって、場所が生まれている。
 その点、たとえ法然院であっても、論楽社の「講座」そのものである。
 以下、写真の説明文。
 写真1。コンサートの準備のひととき。竹村千佳子さんの書(左)と豊田さんの「Yuzo Live」のいつもの旗(右)がある。方丈(奥の間)に緑の風が吹いている。
 写真2。私、あいさつしている。「さあ、豊田勇造さんです」。キックオフ。
 写真3。方丈の庭から登場する豊田さん。
 写真4。鶴見センセを歌う豊田さん。夕暮れの方丈の庭のモミジが映える。
 写真5。場所が主人公。歌うひとも聞くひとも吹く風も主人公。
 写真6。勇造さん、ええ声。
 写真7、8。『九つの鐘』。♪鐘を鳴らそう九つの鐘を――。
 写真9。勇造さん、ええギターの音。
 写真10。鳥井新平さんとの共演『一番上の兄』。♪冬は手足や耳にしもやけが出来る――。
 写真11。名曲『花の都ペシャワール』。♪生き急ぐことはない――。
 写真12。最後のあいさつ。ノーサイド。
 以上。斉村さん、ほんとにありがとうございました。大切な、一期一会の記録だ。

 

 2017年6月例会は、6月18日(日)の午後2時〜、高原美都子さん(僧侶)と私との対話「自分の目で自分は見えない」。
 そうして、10月7日(土)は才津原哲弘さん(自然農法家)の「講座」。
 滋賀の能登川図書館を退職し、ちょうど10年。才津原さんはいま何をどう願っているのか。
 それぞれ、ようこそ、ようこそ――。

 

写真1

 

写真2

 

写真3

 

写真4

 

写真5

 

写真6

 

写真7

 

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写真9

 

写真10

 

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写真12

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 14:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -
生きるための歌――豊田勇造さんコンサート・レポート(その1)

 (連載コラム「いまここを生きる」257回「ザイル・パートナー」を受けて)いま、快い疲れとともに、とてもよい「講座・言葉を紡ぐ」(第118回)を終えた充足感でいっぱい。
 来ていただいたひとも手伝っていただいたひとも、カンパしていただいたひとにも、思っていてくださったひとにも、それらのすべての加護によって、いいコンサートになった。
 改めてありがとう。ありがとう。ありがとー。
 大切なことは、何度でも、言おう。
 ひとびとの心よ凍てつくな。
 生きるための息をすい、息をはいていこう。
 生きるための食をはんでいこう。
 生きるための歌をうたっていこう。
 どんなに雨が降っていても、雲の上には青空がある。
 その青空、生きるための青空をみつめて、いまここを生きていこう。
 植民地日本で日本全体がますますドレイになっていく。ドレイの主人顔をしたひとたちがワシらを「二重のドレイ」にしようとしている。
 忍辱(にんにく)の日々が続く。
 けれども、心よ凍てつくな。
 心がドレイになるな。歌(詩)をうたっていこう。青空を見失うな。
 生きていこう。

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 23:22 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -
ひとの心よ凍てつくな――豊田勇造コンサートへ、ようこそ、ようこそ(その3)

 5月21日(日)、法然院の奥の間がコンサートの場所。
 阿弥陀佛の北隣の部屋だ。
 当日は戸を開け広げる。半野外コンサートの感じになる。
 初夏の風にのって、湧き水の池のカエルたちの鳴き声の合唱がバックコーラス――なんてことは大いにあると思う。
 「いつものコンサートよりも10パーセント、トーク(スピーチ)を多くしてくれ」と豊田さんに頼んでいる。だって、118回目の「講座・言葉を紡ぐ」を兼ねたコンサートなんだから。どんな話が聞けるかな。
 楽しみにしながら、どうか来てほしいな。
 心から、ようこそ、ようこそ。

 

 豊田さんに『道しるべ』という曲がある。鶴見俊輔さんへの追悼歌だ。
 そこで、鶴見さんのこと、「ぶれない人だった」「まっすぐな人だった」「正直な人だった」と歌っている。
 でも、これって、そのまま豊田さん自身のことでもあるだろう。
 45年間、いろんな会場でコンサートをコツコツとやりつづけてきたんだ。とんでもないこともあったろう。それでも、まっすぐ、ぶれずに、正直に誠実に歌いつづけたひとだ。
 その姿は古風なものである。
 その古風さ、豊田さんのお兄さん(長兄)にそっくり。お父さんから受け継いだ「豊田食料品店」。下京区四条通千本通を下ったところにあった(残念ながらも、長兄80歳にてことしの3月末に閉店)。

 

冬は手足や耳にしもやけが出来る
夏は汗だくになる
ほんの少しの暇を見つけて
腰を下ろして食べる
そんな暮しを何十年も
夫婦でやってきた
親を送り 孫と遊ぶ
今は安らぎの時
町内の世話 商店街の集まり
いやな顔をせず
いつどこで憶えたんだろう
手話も話す
真赤な炎の前に立ち
魚を焼きながら
満足に食べられない子供を思い
涙ぐんだりする
       ――『一番上の兄』

 

 これ、いい歌だ。
 もっとも大切にしたいひとびとの風景だ。
 豊田さんもこのお兄さんと同じように、しかも歌をうたって、ひとびとを励ましてきた。
 私も励まされた。ありがとう。
 さあ、論楽社、あと9年。
 このコンサートから再び出発だあ――。

    豊田勇造コンサート(118回目の「講座・言葉を紡ぐ」)
2017年5月21日(日)の午後6時〜8時。
法然院(左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30、市バス(5)(17)「浄土寺」下車、東山に向かって徒歩10分)。
豊田勇造さん(歌手)の「ひとの心よ凍てつくな」。
参加費2500円(要・電話申し込み)。チケットはありません。人数確認のためにも、前もって必ず連絡を論楽社までお願いします。
主催・論楽社(左京区岩倉中在地町148 、TEL075-711-0334、会場がいつもと違いますので、よろしくお願いします)。

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -
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