論楽社ほっとニュース

京都・岩倉の論楽社からお届けします
生きてある現場――塩田敏夫さんの3月例会について

 3月14日(日)、塩田敏夫さん(毎日新聞記者)。
 3月例会である。
 テーマ・タイトルは「生きることの現場から」。
 コロナ禍のいま、少ない参加者で行う。定員はすでにいっぱい。内容は追って知らせるね。
 塩田さん、部長職を経て、志願し、現場いち記者に戻り、京都北部の京丹後へ。
 その地に米軍のレーダー基地がなんと生まれることになり、敢然と立ち向かっていく。
 いま毎日新聞の経営が厳しく、京丹後は閉鎖。現在は軍都軍港の舞鶴支局へ。
 塩田さんは現場に立つ意味を自ら問い、私たちにも示現してくれるジャーナリストである。才津原哲弘さん(能登川図書館長)の縁によって知り合い、もう16年になるね。
 ひとに会って励まされていく感じって、何か。互いに生きてある現場にたち、いまここにおいて、少しずつ心が開かれていき、どこか気持ちが解き放たれていく感じが生成されるんじゃないか。双方に解放があるんだ。塩田さんはそんなジャーナリスト。
あるとき塩田さんからTEL。
 「なんで、こんなに倒産休業が相次いでいるのに、こんなにも株高なんですかねえ」「なぜいま大飯の老朽原発を再稼働させるんですかねえ」と。
 そこで「話して」とお願いし、3月例会と相なった。
 生きてあることの現場から対話したいと思う。
 私は塩田さんの意見を聞きたいなあ。「日本にブレーキは在るのか、自らの意思でブレーキをかけ、止めることができるのか」と。

 

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 10:58 | comments(0) | - | - | -
あなたがいて、私がいる――本田哲郎さんの第122回「講座・言葉を紡ぐ」について

 12月13日(日)、本田哲郎さん(フランシスコ会司祭、釜ヶ崎反失業連絡会共同代表)の第122回目の「講座・言葉を紡ぐ」を開く。
 テーマ・タイトルは「痛みに共感するところから、見るべきものが見えてくる」。
 ただしコロナ禍のいま、少ない参加者で行う。すでに定員である。内容は後に知らせるね。
 22年前に本田さんを知った。
 釜ヶ崎の「ふるさとの家」の労働者のミサへ、たまに出席し、「痛みを共感し連帯へ」という祈りの言葉を私は呟いていたのであった。
 でも、呟いているだけならば、自己満足。
 祈りは行動。行動が必ず湧くもの。
 釜ヶ崎のおっちゃんたちの解放なくして、私たちの解放は程遠いと思っている。部分だけの平和を、平和であるとは言えないと同じこと。
 伊那教勝さん(1922〜95)という念仏者が長島愛生園にいた。「私たちハンセン病者の人間回復はあなたたち非ハンセン病者の人間回復と同時でなければなりません。あなたがいて、私がいるんです」と全く同じことである。
 そう、あなたがいて、私がいるのである。
 路上死がゼロ、自死者がゼロがいつの日か実現するために。そういうこともふつうに自然に対話ができるような社会をつくっていくことを願いたい。いのちが痩せ細っている。そうしていのちがいのちを食うごとくの、戦争前夜の風景が広がっている。まるで日本全体が「釜ヶ崎」になったかのようだ。そうじゃない。「そうじゃないんだ」と言いたいねえ。
 そのためにも本田さんに現場の声、生の声をうかがいたい。
 私は何度も言っているとおり無教会派仏教徒である。一遍や良寛のように身をもって示した仏教アナーキズムこそが仏教の本道と思っている。本来の仏教は国家を批判するもんだ。
 本田さんはキリスト者。しかし。「ひとが救われるのは宗教によってではない」という言説によって、私にとって仏教の善知識(ぜんちしき、師匠)。
 ちなみに本田さんの半世紀前の大学の修士論文が「親鸞聖人とアシジのフランシスコ」。びっくりぎょうてん。1年前に知った。

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 17:19 | comments(0) | - | - | -
ゆっくりと動きます――論楽社のこれから

 秋の白い光が穏やかに満ちています。
 野の道にはヒガンバナ、ハギがそれぞれ紅い花をつけています。
 その後、お元気ですか。
 論楽社、ゆっくりと動いています。
 コロナのこともあります。そうして私の年も65歳になり、終盤を迎えていることもあります。明子ともども、仕上げのようなものができたらいいな――。
 集いもしばらくは「毎月のよう」ではなく、のんびりと間(ま)をとって開きたいと思います。
 またお知らせいたしますので、その節はよろしかったら、参加してください。
 なつかしいAさん、Bさん、Cさんの顔が浮かびます。
 お会いしたいなあと思っております。
 それまでどうかお元気でね。お大切になさってください。

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 12:55 | comments(0) | - | - | -
世界の声を聴くこと――鈴木君代さんのホームコンサートのレポート

 7月19日の鈴木君代さん(僧侶歌手)のホームコンサートを再開した。再開したけど、特別の感慨が湧くわけではない。もっと湧くかと思ったけど。
 理由はカンタン。君代さんも繰り返し言っていたけど、「コロナ禍の中心がわけがわからん」ということが大きい。推測推定のみで、その中心に迫ることが全くできていない。専門家なんて言ったって、たかが知れている(ハンセン病、水俣病や原発事故の医療の専門家の動きをよく知っているから)。だから、すべてが消化不良不全の対話になってしまうんだ。中心がないのに、まるで国難かのように感じ、振り回されていると言えば、よいか。「わからん」のなら、もっと落ち着けばよいのに。
 もともと政治の中心がおかしい。モリトモ、カケ、サクラに辺野古、黒川を繰り返している。公文書の改竄隠蔽破棄、詭弁虚偽答弁を平気で繰り返している。暗闇である。
 そこにコロナ禍が加わるんだから、中心が全く見えなくなり、つまるところは奇怪な「自粛警察」「マスク警察」が横行し、「新しい生活様式」の奇妙な蔓延。暗闇がさらにおおっている。
 君代さん、歌は5曲ほどだけで、以上のような対話を参加者たちと展開。私はおもしろいと思った。
 なんて言えばよいのか、君代さん、ずっと自己肯定が薄く、弱さを生きざるを得ないところがあり、それをひとに伝え、悩みながら生きている。友人として、いつもつらく思ってきた。
 自己肯定がなかろうがあろうが、等しく暗闇がおおっている現代ではみんながみんな、バラバラにさせられ、ひとりぼっちになっている。そう思わざるを得ない。
 君代さんは「孤独とは世界の声を聞かなくなること」と言っていたねえ。
 「何のために人間に生まれてきたのか、それは私が仏教に遇わせてもらってはじめて起こった問いです」(君代さんの『声を聴くということ』自照社出版のP.60)。仏教じゃなくてもいい。根本的な問いである。その問いを改めて発していかないと、いっそうの暗闇の夜の時代を生きることができない。そう思う。
 とってもいい例会だった。

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 22:18 | comments(0) | - | - | -
再開――鈴木君代さんのホームコンサートへ、ようこそ、ようこそ(その2)

 7月19日(日)に鈴木君代さんのホームコンサート。
 いま、申し込み参加者が8人。コロナ禍が続いていますので、マスク着用(ウイルスの大きさは1万分の1ミリだけど。まあ、社会的安心感のために)とアルコール消毒、お願いすることになる。「よろしくお願いしますね」。
 ようこそ、ようこそ。
 君代さん、3月4月……とコンサートの企画がポツポツと消えていくのが「つらかった」と言っていたね。歌えないということが「こんなにさみしいことか」と思ったはず。「不要不急のの外出を自粛せよ」と言ったけども、歌うことによって生かされ、歌を味わうことによって生かされてきたひとにとっては、生きることの意味の問題になることだ。
 私たちひとりひとりにとっても、「不要不急の生きることの意味は何か」を問うことになっていった。
 コロナ禍も、高温多雨洪水も、中村哲さんの死も、別々の問題に見えて、思いのほか、一つのことかもしれない。
 世界各地での自然林や熱帯雨林の破壊の量もスピードもひどい。
 日本国内の自然空間の減少だって、すさまじい(あるデータでは1955年から2005年までに480分の1に減少)。
 病原菌やウイルスの蔓延も、すさまじい豪雨台風も、アフガニスタンの大干ばつも、同じ問題を見つめていることになる。
 ブレーキを踏まないと、車は止まらない。
 でも、誰もブレーキを踏もうとしない。誰も声もかけない。みんな、ひとごと。
 間違いなく、大惨事になる。もっと厳しいウイルスだって、きつい病気だって出てくる。
 あまりいままで書かなかったけど、あえて書いてしまえば、これから、きっと核戦争の後のような地球を生きていかざるを得ないかもしれない。
 私たちの内部の無力で絶望の鉱脈を掘り当てていくことにもなるだろう。でないと生きのびることはできない。
 君代さんは自らの人生の歩みをありのままに語り、ありのままに歌っている。
 歌うことによって回復しようとしている。
 私たちはどう回復するのか。

       2020年7月例会
7月19日(日)の午後2時〜4時半。
論楽社(左京区岩倉中在地町148、TEL075-711-0334)。
鈴木君代さん(浄土真宗僧侶+歌手)の再開ホームコンサート「いまここに在る」。
参加費1000円。
要申し込み(私宅なので、連絡は必要)。
交流会5時〜7時(自由カンパ制)。

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 10:08 | comments(0) | - | - | -
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