2010.02.13 Saturday
小さな町にて――奈良の大淀町からイタリアのボローニャまで
奈良の大淀町に、中元(なかもと)悦子さんがいる。
大淀町――。正確に言うと、奈良県吉野郡大淀町。 奈良県のどまん中に位置。吉野山のちょっと手前で、大峰山系や大台ヶ原という山脈への登山入口となる、山間のこじんまりとした住みやすそうな町である。 ちょうど3年前の2月だ。私は初めて大淀町を訪れた。 中元さんが友人たちと14年間続けている「考える種(たね)講座」(主催・考える種を蒔こう会)に、呼んでいただいたからである。才津原哲弘さん(当時・能登川図書館長、いまは農民)といっしょに呼んでもらって。《図書館づくり》の話をしたのだった。 その日、町立図書館の会議室に集まった人たちは、とっても暖かく、感じがよかった。 窓の外は霧が吉野川から立ちあがっていた。春がゆっくり近づいている2月の山里だった。 その人たちの中心にいる中元さんは、農民である。梨農園を6反耕作栽培して暮らしている。他に自給用として、ぶどう、ブルーベリー、キウィ、レモン、はっさく、でこぽん……をつくっている。 梨畑でギター・コンサートをしたり、藁(わら)や野菜で巨大な「食の乱反射」オブジェをつくったり、ボローニャへ旅したりしている中元さんである。 ボローニャ……。そう、あのイタリアのボローニャである。 エラスムスが学んだ大学があり、職人企業が盛んで、さまざまな社会的協同組合を生み、街の中心部から車を追い出して劇場と映画館、図書館をつくっちゃう、ハムとワインがうまい創造都市ボローニャである(井上ひさし『ボローニャ紀行』文芸春秋、『創造都市への挑戦』岩波書店に詳しい)。 そんな中元さんに、「奈良の山里の小さな町で、感じている“いまここ”をのんびり語ってくださいませんか」とお願いした。すると、こんな返事がきた。 「夕方から今朝まで“私が行ってお話できるのだろうか?”と考えておりました。(略)でも、今年59歳になるまでのいろんな人との出会いや出来事が思い出され、一度くらい何やかやおしゃべりしても許していただけるかなと思いました。」 うれしい。その「一度」が、2月28日(日)に実現する。 来てくれないか。 2010年2月例会。タイ修行から戻ってきて以来、TVを見なくなった。 ガマンしているのではない。欲さなくなったのだ。 TVが欲求しているような「成功」物語から遠く離れて立つと、さまざまな気づきがある。 一見弱いところ、小さいところ、遠いところ、何もないところに、変革の根っこがあり、未来があるのではないか――。 「何を“禅問答”のようなことを言っちょるんや」と思われるかもしれないが、私にはそう思えてならないのだ。 詳しくは2月28日(日)に。中元さんを中心にして、おしゃべりしたい。生きてある中元さんに出会ってほしい。 ボローニャと大淀の写真もいっぱい見られるよ。来てね――。 |