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雪――生前葬を営む心の友へ
 Aさん。
 2月13日の「生前葬」。めっちゃ、イヤでした。
 何かがちがう、こんなんじゃない――。
 そう思いながら、イライラしていました。
 恥ずかしいことに、酔いつぶれ、寝てしまいました。
 ああ。愚かなうえにまた愚かを重ね、「生き恥を晒して生きよ今日もまた」(宗博)の私であります。荒凡夫の愚者のオレであります。
 Aさん。
 生きてください。人生、これからです。
 再発、そして、転移。厳しい風が吹いていますが、いまこそ、前傾姿勢を保って、逆に浮力にして飛んでください。
 生きてください。
 Aさん。
 フラフラと立ちあがった私がほんとうに言いたかったこと、でも、言えなかったことは、次の“詩のような内的言語”です。
 “詩がない男”の祈りです。よかったら、受けとめてください。
   雪――生前葬を営む心の友へ

 ひとは死を口にしてはならない
 死を口にしたひとの上には
 色ひとつ少ない虹がかかってしまうから

   君は雪だ
   私も雪だ
   天を旅立つ
   どの雪片も
   落ちてゆく
   大地に受けとめられるまで
   落ちてゆく
   たとえ吹雪のなか
   そそり立つ岩場に叩きつけられようとも
   たとえ無風のなか
   湯気立つ鉱泉に吸いこまれようとも
   どの雪片も
   大地に救いとられるまで
   落ちてゆく
   大地
   というもうひとつの天に
   帰ってゆく

 雪は死を口にしてはならない
 死を口にした雪の下には
 色ひとつ少ない虹がかかってしまうから

 Aさん。
 青紫色のスミレが庭に咲きはじめました。岡部伊都子ちゃんの庭から移植し、根づいたものです。岡部ちゃんと“再会”するような、喜び色のスミレです。
 「菫(すみれ)ほどな小さき人に生れたし」(漱石)。
 Aさん。
 新しい、小さなときの現在(いま)を生きてください。
 日々刻々と生まれていってください。
| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 21:48 | comments(0) | trackbacks(0) |









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