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中元悦子さん、ありがとう――2月例会の喜びを伝えたい
 2月28日(日)の2月例会、中元悦子さん(農業)について、さっそく感想のFAXが2本届いた。
 1本目は「ちょっと出しゃばりますが……」と笑いながら、塩田敏夫さん(毎日新聞記者)から。翌日の3月1日(月)に早や届いている。
 中元悦子さん。あなたの話を聞き、あなたが泣きながら学んできたことがよくわかった。長年続けた読書会、奈良から深夜バスで3年間も通った東京の勉強会。生きるため、生きぬくために憲法があり、教育基本法があり、図書館法があることを学んだ。「幸せだった」と言い切った言葉に、私は心揺さぶられた。やはり人生はどんな人と出会うかだ。
 あなたは奈良・大淀町の梨農家に嫁いで最初の20年間はつらかったと語った。そこはまるで江戸時代のようだったと。村を走る近鉄電車に何年も乗ることができなかったと。家の外の世界に触れることができずに、子育て、義理の両親と一緒に農作業に追われる生活。夫は現金収入を得るため公務員に。農家の嫁として頑張り抜いてきたのだ。
 ところが、10歳上の先生と出会うことで自分の人生を自分で切り開き始める。大淀町で私塾を開いている先生と聞き、私は漱石の『こころ』の先生を思い浮かべた。先生はあなたに滋養を与えていく。自分の言葉で語り、自分の知性をとことん信じて生きることを教えてくれたのだ。
 私は滋賀・能登川図書館長だった才津原哲弘さんから豊かで有り難いものをたくさん授かった。そのひとつにこんな言葉がある。「図書館は天から降ってくるものではない。住民自らが欲してつかみ取るものだ」。あなたはそれを実践した。図書館は文化を基底から作り上げるものだと思う。人類が最初にアレクサンドリアで作った図書館から2000年たって大淀町で実現したという図書館作り。思いがたくさん詰まった図書館祭を見たいと思った。
 2本目のFAXが、3月3日(水)の夜に届いた。中嶋周さんからである。滋賀県の湖北の、福井県との県境(けんざかい)の山村に入り、ヤギを飼い、ヤギのチーズをつくっている。
 「農家の嫁」の日々を、ようがんばってきはったなあ、まねできんなあ、ただただそう思いながら聞いていました。
 でもそんななか、自分を耕し仲間を見つけていった読書会や考える種講座。人とつながり人生をきりひらいていくバイタリティと、農民ならこうありたいと思わせる自主独立の精神、その両方を中元さんはもってはって素敵やなと思いました。
 町から農村に入った「よそもの」の一人としては、こういう縦のつながりも身近にあるとうれしいのになあと、家に帰って思ったのでした。
 またお会いしたいです。
 中元さん、ほんとうにありがとう――。
 このうえない言葉が紡がれていったひとときだった。
 一見平凡で、小さくて、弱くて、何もないところに、未来の根っこは必ず存在し、驚くべき感動があるんだ。
 心を耕やし、いのちにやさしく出会ってゆきさえすれば、どんな闇のトンネルに入っていようが、明日への芽吹きは必ずやってきて、居場所という開墾地も切り開かれていくんだ。
 そう、あらためて、思った。
 中元さん、ホントに、ホンマに、アリガト――。
 念仏のように、くりかえす、アリガト――だ
| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 15:31 | comments(0) | trackbacks(0) |









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