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この世に平和を取り戻す――哲ちゃんの「講座」へ、ようこそ、ようこそ(その2)
 あと3日である。あと3日で、中村哲さんである。
 会場が法然院である。「論楽社へ行こうとした」ひとがいたので、気をつけてください。法然院ですよ(開場4時)。
 ペシャワール会事務局から、中村さんの著書が届いている。21日(日)の当日、販売する本である。
 次の8冊である。改めて、それぞれワンポイントで紹介する。もしも未読の本があれば、当日にお求めください。
 哲さんの本は読まなくてもよいですから(笑)、買ってくださいね。哲さんの個人収入になるし、食卓の上に置いて眺めているだけでも、「あ、いま、水路に水が流れている」と思え、日々の生活に具体的にパワーアップする効果がある(笑)。哲さんの本は、ツン読するだけでもよい(笑)。アハハ。
 (1)『ペシャワールにて――癩(らい)そしてアフガン難民』(石風社、税込1890円、1989年)
 アフガン、パキスタンのハンセン病者の治療に、縁あって、出向いた哲さん。靴屋を始める。足底穿孔症(うらきず)から守るためだ。日本のサンダルを持ってきても、彼らは売ってしまう。そうではなく、現地版サンダルを製造。当初から、哲さんは実践哲学者であった。
 (2)『ダラエ・ヌールへの道――アフガン難民とともに』(石風社、税込2100円、1993年)
 当時史上最強と言われた旧ソ連陸軍がアフガンへ侵攻。粗雑な殺戮(りく)の果て、撤退。旧ソ連は崩壊。哲さんは耐える。あるハンセン病女性の気管切開手術を行う。声を失い社会生活はできないが、呼吸困難から解放。哲さん、ハンセン病コントロールへの決意しはじめる。
 (3)『医は国境を越えて』(石風社、税込2100円、1999年)
 アフガンのダラエ・ヌール渓谷で、悪性マラリアが発生。患者が次々と運び込まれる。薬がない。福岡の事務局へ至急電、「金送れ」。ついに発砲。「皆殺しになっても、発砲厳禁。我々は人殺しに来たのではない」と哲さん。右の頬を打たれても左の頬を出せ。その覚悟に住民は退き、病も消え去った。
 (4)『医者 井戸を掘る――アフガン旱魃との戦い』(石風社、税込1890円、2001年)
 雨が降らない。アフガンを始めとした中央アジアの大干魃がいまも続く(なのにニュースにもいまだにならないし、救援活動も他にない)。水がない。赤痢などの感染症で赤ちゃんが次々に死んでゆく。「とにかくまずは生きろ、病気は後で治す」。 哲さん、2000本の井戸を掘り始める。いのち水が湧きはじめる。
 (5)『辺境で診(み)る 辺境から見る』(石風社、税込1890円、2003年)
 あと20日で9・11。ちょうど10年が経つ。9・11の首謀者を匿(かくま)ったという理由で、英米列強が殺戮(りく)を始める。9・11の死者の何倍もの死者が生み出されている。いまだに撤退しない。日本も参戦。医者哲さんは記者でもあった。見者となって、すべての実相を記録するジャーナリスト。
 (6)『空爆と「復興」――アフガン最前線報告』(石風社、税込1890円、2004年)
 平和とは消極的なものではない。平和ボケなんて、ありえない。戦争以上の忍耐、努力、強靭(じん)が平和には必須。「弱い者に拳を振り上げて絶叫するのは、人として卑怯かつ下品な行為です」(同P.99)。英米に日本までが加わり、「弱い者」いじめを始めた。自衛隊派遣は「有害無益でございます」(2001年の国会発言、同P.34)。
 (7)『医者、用水路を啓く――アフガンの大地から世界の虚構に挑む」(石風社、税込1890円、2007年)
 井戸も枯れる。カレーズも枯れる。雨は相変わらず、降らない。山の雪線が上がっていく。ついに用水路の建設に着手。ところが、その最中の2002年に、10歳の次男が悪性の脳腫瘍にかかって、死去してゆくのである。「バカたれが。親より先に逝く不孝者があるか。見とれ、おまえの弔いはわしが命がけでやる。あの世で待っとれ。」(同P.77)
 (8)『人は愛するに足り、真心は信ずるに足る――アフガンとの約束』(岩波書店、税込1995円、2010年、聞き手は澤地久枝さん)
 哲さんは祖父・玉井金五郎にそっくり。金五郎は妻・マンとともに、北九州の若松港の沖仲仕の組合をつくっていた。映画『花と龍』のモデルになった夫婦。映画では全くのヤクザだ。でも、実際の玉井組は相互扶助の組合。ただし、三井や三菱が送ってくるヤクザには立ち向かった。「弱い者いじめが嫌い」(同P.17)。その孫と同じように。
 ――以上である。
 もしも「送料160円のクロネコ・メール便代」がかかってもいいというひとがいれば、論楽社へご注文を。今月中ならば、受付発送する。
 では、8月21日(日)に会いたい。
| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 23:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -









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