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すっぽんぽんのいのち――森崎和江さんと才津原哲弘さんの100回目の「講座」へ、ようこそ、ようこそ(その2)
 谷川雁さん(1923〜95)とは短いけど濃密な交流があった。
 けれども、そのパートナーだった森崎和江さんには、なかなか出会えなかった。
 縁がやっと訪れたのは、2002年。9年前のことだ。
 東本願寺の研修室にて、森崎和江さんが宗正元さん(僧侶)と対談するのに参加した。そのとき、才津原哲弘さん(当時、能登川図書館長)を誘った。
 会ってみたら、びっくりした。
 やわらかくて、おだやかで、あったかい。
 「書き言葉が醸(かも)す印象よりも、はるかに明るい」と思った。――12月18日(日)に参加してくれるひとも私と同じ印象をきっと持つのではないかと思っている――。
 そのとき、宗さんから「もう、これからは、すっぽんぽんやと言っていたよね」と発言をふられて、森崎さんが「ほんとうに……」とアハハと笑っていた。
 森崎さんはこのことを忘れていて、「虫賀さん、私は何に書いていた?」といま言っているけど(笑)。笑顔笑声ともに私の心に残った。《すっぽんぽん》って、森崎さんの生涯を表出する言葉と思ったからだ。
 そのとき、才津原さんと私は森崎さんに初対面し、あいさつした。
 翌年の2003年に能登川図書館において、森崎さんの講演会が実現した。
 私が送り届け役になり、帰りの電車に乗った。才津原さんから弁当とお茶代金2000円をもらって、京都駅で買って渡していた。その能登川からの車中で、森崎さんと初めてゆっくりとおしゃべりすることができた。
 でも、そこで森崎さんに誤解が生じ(笑)、「私が『森崎さんを呼ぼう』と鶴見俊輔さんに進言し、2004年の思想の科学のシンポジウムになった」となっているのだ(笑)。そんな事実は、ない。鶴見さんが50年来森崎さんに敬意をもっているからである。決まっているじゃないか。
 でも、結局のところ、その誤解の思いによって、動いた。私と才津原さんの2人が介護役になり、京都駅から東京まで往復することになったのだ。ふしぎで、おもしろい旅が生まれたのであった。岩手県の小栗房子さんとも知りあったのである。
 その後、手紙を往復させている。2009年に塩田敏夫さん(毎日新聞記者)と福岡県宗像市の自宅を訪問。2011年3月の「3・11」の直後に福岡県中間市で森崎さんに会い、『サークル村』の話を聞いている。
 以上、800字でまとめた短い交流史。考えてみれば、森崎さんとは5回しか会っていないのである。
 森崎さんは深い刻印を残す。おもしろい誤解も残すけどね(笑)。

 森崎さんは自らの出産体験をこうつづる。
 「ぴりぴりと心がふるえました。ありがとう、と、誕生した命へ頭を垂れているような感動が走るのです。(略)心に、しきりに詩が明滅します。

   あなたは誰のものでもない
   あなたは ただ あなたのもの
   春の光があなたにふれて
   あなたをのばす

 頬を涙が伝いました。
 今でも、そこだけあかあかと輝いていたばかりの子の、存在感が見えてくるのです。」
(『いのち、響きあう』藤原書店、P37〜38)
 この詩は他の本でも出てくる。森崎さんのいのちのリズムである。いのちの刻印である。
 きっと、どのいのちもあかあかとして輝いて生まれてきている。どのいのちも必要があって生まれ来ているのである。
 その必要をかみしめて、最後の最後まで生きてほしいし、生きれるよね。生きのびてほしいし、生きのびれるよね。
 このメッセージは、森崎さんの全巻からも聞こえてくる。12月18日(日)の法然院の「講座」のメッセージでもある。
 さあ、大きく太く伸びていこう。

   あなたは誰のものでもない
   あなたは ただ あなたのもの
   春の光があなたにふれて
   あなたをのばす

| 虫賀宗博 | いまここを紡ぐ | 00:21 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -









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