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連載コラム「いまここを生きる」(第267回)代替案

 暑いですね。お元気でいらっしゃいますか。
 今夏も茶蕎麦を送ってくださり、感謝します。もう、コレなしでは、夏が来た感じがしません。いまや大好物。茗荷を切り、生姜や大根を少しすって、明子といただきます。
 身、息、心を調える気がしています。ありがたいです。
 京都盆地の中の岩倉盆地。暑さが籠ります。きのうの暑さが少しずつ残り、きょうの暑さに加味されていく感じです。今夏の戻り梅雨の天気だと、天に雲の蓋がされたかのよう。東山北山西山の三方に、天の、上方からの蓋。まるでサウナです。
 ただ大暑から立秋までのいまが暑さの頂点。
 あと10日もすれば、微細に小さな秋の姿を山野に少しずつ感じ始めます。
 もうしばらくですね。
 いまはあまりにも暑いので、本を読んでいます。
 座敷の網戸越しに蝉時雨を聞きながら、本を読みます。
 これらの本を分かちあいたいと思います。
 茶蕎麦への、せめてもの御礼です。
 整理せずに、感想(想い)を率直に短く伝えます。伝わるひとには伝わるものですから。
 その1冊。
 加藤典洋さんの『戦後入門』(ちくま新書、2015年)。600ページを越えるので、寝ころびながら読めないのが問題点かも。
 もうひとつの問題点は、具体的な受け皿です。
 加藤さんの論点は、9条の「左折の改正」です。右折では、なく。9条の思いをより深く生かすための改正を提案しています。
 「外国軍の駐留をやめる」「核兵器を作らず、持たず、持ち込ませず、使用しない」に始まって、「国の交戦権は、これを国連に移譲する」までのことを、どうやって、具体的に動かしていくか、どこにどう受け皿をつくるか、です。
 別の言い方をすれば、戦後日本がなぜ米国の植民地になってしまったのか、その理由と流れをどこまで頷(うなず)けるか、です。
 「属国とも思っていない」ひとが多い中で、どうやって、納得し、頷けるのか、です。
 加藤さんの発案を大切に扱ったほうがよいと思います。
 現政権が倒れた後のヴィジョンのひとつとして、みんなが吟味していくことを希望します。石橋湛山のようなキーパーソンがいないと、空想に終わってしまうかも。そうならないために、まずは、手にしてみて――。
 もう1冊。
 ヨハン・ガルトゥングさんの『日本人のための平和論』(ダイヤモンド社、2017年、訳・御立英史さん)。
 この本には、渾身の代替案があります。これもきわめておもしろい。
 加藤さんのも全く同じ。人生を賭けたような、代替案に満ちています。
 いまの与党現政権を支持しているひとびとが挙げる理由のトップ(か)に「他にないから」があります。いかに野党、新聞が代替案を示していないのか、ですね。
 加藤さんもガルトゥングさんも、悪意の国境侵略者に対し、最小限の武器をもって、対抗反撃することを肯定しています。多くのひとびとの正当な不安を無視していません。
 米国への日本の従属がいまの危機を生んでいるのですね。隣国との高まる緊張は、ソレが原因。外交が一国主義(米国に服従するだけ)なのが理由。
 隣国との関係を「戦争はない」という現状から、動いて動く、積極的な対話協力関係へ努力工夫していく。日米安保条約が形骸化してしまうほどに、平和をつくっていくのです。
 勇気元気が持てます。
 ただ、この本も単行本で270ページ。寝ころんでは読みにくい(腕力のあるひとはO.K.)のが難点。
 では、互いに行く夏を充実させていきましょう。山行、気をつけて――。
(8月3日)

 

| 虫賀宗博 | いまここを生きる | 06:32 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -









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