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ときどき連載コラム「いのち――その断章」(第51回)雪が降る里

 雪が降った。周りの山々は冠雪し、見事だ。
 岩倉の山々。瓢箪崩(ひょうたんくずれ、よくこんな名を思いついたなあ)山(532メートル)、箕裏(みのうら)ヶ岳(433メートル)という、全く無名の岩倉の低山が、慄然とした冬構え、冬山に変容。雪の白の美しい衣装変えである。
 その箕裏ヶ岳の麓に、権土(ごんど)池がある。ため池。岩倉具視(ともみ)が「100円(明治初期当時)を下賜し村民が作った」という立札がある。
 その池にカモがいる。この雪降る寒さがカモにとっては適温のようで、快く泳いでいる。その泳ぐ姿を眺めていると、私はこんな感慨をいつも抱く。
 「撃たれたって平気よ、射られたって平気よ」「世界を根底から信じているから」と無言で語っているように思えてくるのである。そんな声が聞こえてくる。
 その池のの下流にカワセミもいる。アシ(ヨシ)の枯枝に止っている。まだまだドンコなどの小魚が岩倉川にいるんだなあ。カワセミだって、「世界を信じ切っている」。
 どんな短い散歩だって、小さい旅。その旅の途中、鳥たちが問う。
 「私たちは世界を信じているけど、君は?」と。
(2月28日)

 

| 虫賀宗博 | いのち――その断章 | 22:38 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -









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