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祈りの音――中村徳子さんのインド音楽レポート

 中村徳子さん(以下、とっこさん)の「空の青さが音楽」のレポート。
 サブタイトルで記していた「インド音楽入門の入門」。「インド音楽って何?!」という感じが、ざっくり伝わったんじゃないか。
 とっこさんは自らおしゃべりしながら、タンブーラーを常に爪(つま)弾いていた。爪弾きながら、いろんなことを話してくれた。通奏低音のように、全編鳴り響いていた。その音が1週間たったいまも、快く響いている。
 とっこさん、アリガトー。
 「音のひとつひとつに神さまがいます」(とっこさん)。
 この言葉も私は頷けた。
 もともと朝の光にも夕の茜色にも星の瞬きにも、私は音楽があると思ってきた。
 世界の木々にも川の流れにも海からの風にも音楽があると思うし、とっこさんの「サレガマパダニ」(ドレミフャ…と同じインド音階)が「体の血液の中へ入れて」と言ったのも頷けた。
 もう少し別の言いかたをすれば、その音というものは、たとえば眠りという形であり、願いという形であり、母という形であり、許しという形であり、エネルギーという形であり、間違いという形であり、空腹という形であるということだ。
 目覚めていても寝ていても、たとえ死んだとしても、つねに光がかがやき、手をとり、心の中にいる――ということだと思う。
 その音、光を何度も何度も迎え入れ、挨拶しつづけていくことが、生きるということなんだ。
 私はそう思って、とっこさんの話を聞いていた。
 毎日毎日、太陽の光を受け、新鮮な食をいただき、呼吸していく。その光を受け、新鮮な食をいただき、呼吸していく。その光、食、呼吸の3つにこそ、脳内を活性化させる秘訣がある――とっこさん、言っていたのも忘れられない。
 アリガトー。
 散歩中にこの1週間、声を出してみる。「上ずみの声が出た後、ほんとうの声が出るから」と、とっこさん、言っていたね。あんまり意識して声を出したことのない私の自信なさげの、少し枯れた声の後で出てくる「ほんとうの声」に出会いたいと思っている。まだまだ、だけど。
 とっこさん、ありがとう。この上なく大切なものをいただいたと思う。
 感謝感謝。
 ワシらの人生に音楽を。深く耕された音の世界を。誠実さ、正しさでなく、音のふくよかな楽しみを。

 

 

| 虫賀宗博 | ほっとニュース | 11:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -









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