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連載コラム「いまここを生きる」(第317回)夢の力

 ハガキ、受け取りました。
 なぜかハガキの切手に消印が押されていないのです。まるで遠く北国からハガキが自らやってきて直接に郵便箱に投函されたかのよう。
 私の心に直接にストンと落ちるハガキでした。
 大阪北部の高槻地震のときといい、今度の豪雨災害にときといい、電話をいただき、ありがたかったです。
 もう何時間か、岩倉にすさまじい豪雨が降りつづいていたら、岩倉川のどこかが決壊したかもしれません。
 近年の雨の降りかたが尋常ではありません。そうして現在の暑さ。40度越しがニュースにもならないくらいの暑さが続きます。
 明白に地球温暖化の影響ですね。「温暖化」の「あったかくなったね」というレベルじゃない。「高温化」を使ったほうが実態に合うと考えます。以下、高温化を使うことをお許しください。
 私の思いです。高温化の問題は、「いかに生きるか」という「親問題」に直結しています。
 そういう「親問題」を棚上げし、先送りし、売却し、立身出世=成功を目指すことを小中高大学という学校時代から指導されています。そのほうが成績が上昇するからでしょう。とにかく成功を追求する立身出世思想が蔓延していますね。
 高温化を「どうするのか」という問いかけは、その成功思想と齟齬(そご)をきたします。食い違いがあります。
 生存のかかった問題です。解決の糸口はひとりひとりの「親問題」の中にあります。「親問題」を感じなかったひとはおそらくひとりもいません。想起しないことには解決に向けての対話すら困難です。経済学ですら「いかに生くべくか」という「親問題」を捨ててしまっているのですから。そうだとしても、かすかにでも思い出してもらって対話を始めねばなりません。
 なぜなら、高温化問題はすべてのひとが加害者であり、そうしてすべてのひとが被害者だからです。そべてのひとが関与しないことには解決なんて不可能だからです。
 まずは1年でも経済成長をストップさせることです。ゼロパーセント成長のときを1年でも経験することです。現状維持なんですから慣れると思います。繰り返しますが、生存にかかわります。「親問題」を内観してほしいと思います。
 そうして「車じゃなくて自転車に乗る」「クーラーを止め、庭に打ち水をする」から始まって、「山にクヌギやコナラ、ミズナラを植える」「川底を30センチは掘り下げる」をまず考えて、そうしてやりとげていくことだと思います。植林や河川工事は「高温化対策雇用」を生みます。新しい風が起きます。日本国内にも「もうひとりの中村哲さん」が現出してきます。
 「経済的豊かさではどうにも解決できない『なんのために生まれてきたのか』という『親問題』が覆い隠しようもなく我々の前に立ちはだかってきた」というハガキの文面、わが意を得たりです。そういう事態に直面していると思います。
 ただ気づいてほしいです。
 もちろん自然の現象をひとの力で止めたり、変えたりすることはできません。
 地震を止めることはできません。しかし、地震による原発事故は、原発を止めることによって、できます。
 そういう力が私たちにひとりひとりにはまだ残されています。社会を変える力がまだ残っています。
 地球全体の高温化をストップさせることは、ひょっとして夢に終わるかもしれません。国境を越えて、多くの国々が協力しあわなかったら、実現は不可能です。協力できなかったら、失敗。失敗すれば、もっと高温化に立ち向かわねばなりません。
 もともと私という存在は開かれたものです。「私はどう生きるか」は即「私たちはどう生きていくのか」という問いでもあります。その基本を洗い流しつづければ、その夢はリアリティのある花となります。そういう私たちに秘められた力を信じます。夢の力を忘れて滅した社会や国家は数知れず。危機だからこそ、夢の力をていねいに育ててゆきたいと思います。
(7月19日)

| 虫賀宗博 | いまここを生きる | 16:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -









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