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連載コラム「いまここを味わう」(第37回)理念なき政治は社会的罪

 Kさん、手紙をいただきました。
 うれしく、ありがたくいただきました。
 手紙は良い。心が暖まる。ありがとうございます。
 心配をおかけしています新型コロナウイルスのこと、いまだに私には実体も実相もわかりませんので、何ともウイルスそのものについて表現することはできません。感慨もありません。
 同じ感染症のハンセン病政策の歴史や昔読んだA・カミュの『ペスト』(新潮文庫)のことをしきりに想起しています。
 そうして高い確率で「思考停止と無責任の横行」がいっそう蔓延するとも思っています。
 私の見立てです。
 いつも病いが発生するとき、病いそのものよりも病い政策の政治の悲惨そのものが露呈してきます。私たち社会の固有な「ゆがみ」が露出します。
 全国の小中高校の一斉休校を現首相が1週間前に唐突に言い出しました。「どういう根拠において、どういう効果があるか」も表現していません。「集団になることが危険」と言うならば、満員電車を一律にストップさせればいいのに。
 困ったときこそ開く。各地方市町村に任せればいいのに(教育委員会のメンバーの公選化はいまでも必要)。全校生徒が10人という小さな小学校まで、なんで一律に休校にしなきゃいかんのやろう。島根県の各校、京都府北部の伊根町とか休校にしなかったのは見識。
 現首相の言葉に、愛とか情熱とか自然世界の歩みに根ざす姿を見ることは一切ありません。単に「権力の技術者」の姿でしかありません。
 M・ガンジーが「社会的罪」と言ったことがありました。理念なき政治、労働なき富、良心なき快楽、人格なき学識、道徳なき商業、人間性なき科学、献身なき信仰の7つです。
 それぞれの罪を乗り越えなければ、私たちの社会に明日はやってこないのですね。私たちの課題です。目標です。
 この「理念なき政治」はまさしく、いまの日本。理念なき政治とはつまり「支配のための支配」です。理念なし支配を繰り返し、自発的隷従をひとびとの心につくります。
 現首相の祖父は戦時期の商工大臣。
 東京裁判において7人の軍人・政治家が絞首刑になった日(平成天皇の誕生日だ!)に。出獄。米国CIAにすでに通じ、かつ金も貰い、日米合作の安保体制(3000もの密約によって、実質のところ米国の植民地)をつくっていった祖父。
 「CIAから岸信介、佐藤栄作らが金を貰っていた」って、特別の情報じゃない。たとえば春名幹男『秘密のファイル CIAの対日工作』(新潮文庫)とかに普通にのっていることです。誰でも手にすることができます。
 こういう買弁(ばいべん、清朝末期において植民宗主国にペコペコした中国人たち)政治屋の三代目、しかも礼節をもって言うならば、本質において「売国」の祖父を尊敬しているのが、現首相なんですから。
 最低最悪のことも起きうるかとも思います。
 私個人としては「経済活動の停止休止をし、地球温暖化高温化対策に貢献」と、あえてとらえながら、対応してゆけばよいなと思っています。もちろん私個人の思いは違って、「ゆがみ」が傷みとなって、各方面に露呈すると思います。共同体としての底がもう抜けてしまっているんですから。
 短い返事です。では、また。Kさん、どうかお大切にね。
(3月12日)

| 虫賀宗博 | いまここを味わう | 11:09 | comments(0) | - | - | -









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