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連載コラム「いまここを味わう」(第59回)夏の湯――(「こんな銭湯へ行こう」その2)

 いまここの暑さに必要なのは、無為である。
 「むすんで、ひらく」の開き放しと言えばよいか。
 手放ししていくと、逆にアイディアが湧いてくる。それをメモしていくくらいに留め、それ以上に何もしない。
 京都の湿気の多い、独特の籠った40度近い暑さである。無為なのがいちばん。
 半年前に「冬の湯」(2020年2月27日付連載コラム)を書いた。
 以下はその続編。したがって、Dから始める(A〜Cは「冬の湯」を見てね)。E、Fと3つ紹介。
 京都盆地にはまだ110軒の銭湯が残っている。どの銭湯に入っても450円という公共料金。石けん、タオルを持ってぶらりと行く。
 夏はサウナに入って、汗を出し切り、水風呂にザボンと入って、整える。3回繰り返す。4回以上は止める(執着になる)。

 

 D.トロン温泉稲荷(いなり)。
 京都市中京区の三条商店街にある(三条通堀川通西入ルだ)。八百屋、ラーメン屋、喫茶店(カフェじゃない)、魚屋がある、生きた商店街を通って、入る。トロン温泉は人工温泉。効能がいっぱい書いてあったけど、忘れた。
 番台のおじちゃん、おばちゃんが好人物。風呂上がりもゆったりさせてくれる。清潔で、あったかい。
 夏の湯、サウナと水風呂である。ここはいい。何と言っても、水風呂である。2〜3分入って、毛穴が締まって、生まれ変わったようだ。ホンマに整う。
 サウナにTVがあるのは問題。私たちには聞きたくない音楽や映像を聞かない権利がある。サービスのように、流すのをぜひ止めて。
 ただ、サウナに入ってくる客層がいい。何かが特別にあるわけじゃないのに、どことなくそれぞれ品がある。いい顔の商人だ。
 水風呂に浸って、満足感謝の私に知らないおじさんが「ええ顔、してはりますな」と語りかけてくるトロン温泉。

 

E.山城温泉(京都地方の銭湯の表記のクセ、天然温泉じゃない、天然だったらいいという願い)。
 上京区の北野天満宮の南、天神通りを下った所。妖怪ロードと銘打って、必死に盛り上げようとしている一条通り商店街のすぐ南にある。
 サウナ(ここもTVで吉村大阪知事がどうのこうのと言っていた)の後の水風呂の水温がなんと8度。マジで8度。30秒しか入っておられない。体によくない。番台のおっちゃんに聞くと、「特に効能はない。サウナの後に(水風呂に)長湯するひとが多いので、その防止のため」と言う(笑)。あっさりとしたことを言う湯だ。大阪のヤンキーのノリなんだ。

 

 F. 五香(ごこう)湯。
 下京区の五条通堀川西入ル。岩盤浴もある(要予約)。ラジウムを放つ鉱石がゴロゴロある。効能が書いてあるけど、これもまた、忘れてしまった。でも、気持ちがいい。微発泡のミルキーバスが気持ちいい。広くて、大きい、おもしろい湯。風呂上がりに居酒屋が店内にある。いいかも。
 問題はイレズミのひとがサウナに入ってくること(いっかい3人に囲まれた)。
 ちょっと私はニガテだ。キンチョウする。みんな裸の凡夫。平和にやっていこうね。
すぐ近くに町のうどん屋があり、清潔な店構え。腰のあるうどんではなく、昔風のやわらかい京うどん。「うまい」。
(8月13日)

| 虫賀宗博 | いまここを味わう | 10:48 | comments(0) | - | - | -









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