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連載コラム「いまここを味わう」(第69回)アンダーコントロール

 Kさん、その後お元気ですか。
 電磁波への苦痛ゆえにKさんが引っ越した信州の山室川沿いの奥地の家は、私にとって懐かしいものでした、初めて訪れた地なのに、天地そろって、とっても懐かしい。その天地もそろそろ冷え切り、木々の黄紅葉の輝きにいまあふれていることと思います。
 電磁波への障害はまだ現われていませんけど、ケータイをいまだに持つ気にはならないし、電話すらもいまだにキライですから、私の文明拒否感は強い。Kさんのこともわがことのように納得しました。自然なことでした。
 洗剤化粧品の凄まじい香りや莫大な質量の合成化学物質の害を被っている友人のことも、Kさん同様に自然に腑に落ちました。まだまだ障害が現われていないだけ。人工的な衣食住全般への添加物への拒否感はやっぱり深いです。
 京都においても古い家屋ビルをいま壊して、新しい建物をじゃんじゃん建てています。2軒ヨコのすぐ近所の100年の家も今夏壊され、跡地に8軒の新築を建設中です。いまだに経済成長の虚話を信じていますね。
 Kさん、汚染処理水がいよいよ海洋放出されるようです。汚染水、汚染水とTVで発語されているのを聞くと、まるで南アルプス天然水のように思えますけど、天下の猛毒です。
 言うまでもなく福島第一原発の地獄の釜は開いたままで、大気中に放射能はじゃんじゃん放出されています。いまここにおいても。核燃料の残骸は永遠のように核分裂しつづけ、大量の熱と放射線を出しつづけている。水でしか冷却できません。冷却に使った水は核汚染されるから、タンクに貯めつづけ、満杯になったので、海へ捨てる。なんと安直か。海だって、いのちの塊。放射能を好む生物はいない。大変なことになります。風評被害って言うけど(風評とはウワサ話)、風評ではない現実の凄まじい被害が生まれるにちがいありません。止めなきゃいかん。
 Kさん、私は気づきました。
 東京オリンピックの招致演説で前首相が「(福島第一原発は)アンダーコントロールされている」と言いましたよね。「アホか、何をウソついてんね」とずっと思ってきました。違う。「私たちの意識が政財界にアンダーコントロールされているんだ」と前首相は言ったのかも。もしそうだとすれば、ウソじゃない。ほんとうに私たちこそが支配下にあるんですからね。みんな、「戦争が平和」「束縛が自由」と思っているんですから。
 みんな、原発事故も電磁波障害、香害もすべて「ひとごと」。ニュースにもならない。NHKは「日本ひとごとニュース協会」の略語でしたね。
 すべてをデジタル化し、そのデータすべては警察行政が監視し、管理支配下に置き、自らの公文書はシュレッダーにかけ、処分。
 オレだけ、ゼニだけ、いまだけの社会がどんどん進化してくのですね。ズブズブの泥沼です。
 私の一部もアンダーコントロールされていたかもしれません。「もう無理だ、やられっぱなしだけど」と思っていたかもしれません。
 65歳です。老体です。でも、幸いなことにまだ元気です。改めて、声に出していこうと思います。
 「ひとりでつらいひとがいたら、そのつらいひとを責めるんじゃなくて、いったん立ち止まり、社会のシステムを考えなおそう」と言いたい。「小さく低く弱くされたひとを中心に動き出していこう」と声を改めて出したいと思っています。
 Kさん、お大切に。カゼ、ひかんように。

 

| 虫賀宗博 | いまここを味わう | 10:47 | comments(0) | - | - | -









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